昔の人は、見えないところにおしゃれをしていた。と言う話は良く聞きます。印判のお皿の裏は、すこし古いものだと、カワイイ小花がプリントされていたりします。また、男性用の紋付の羽織の裏に、ものすごい刺繍が施されていて、古い着物を扱うお店などは、裏を表にして飾り、驚くほどの高値がついています。オーダー紳士服の会社に勤めた友人の話によると、エルメスのスカーフを何枚か持ってきて、背広の裏にというお客様がいらしたことがあるそうです。
さて、カバンの裏となると、なかなかそうはいきません。一番軽くて良いのは、付けないことなのですが、どうしても革の粉がついたりして気になると言う方が多いので、ケースバイケースで、裏を付けるようにしています。しなやかで、安くて軽いのは、断然ビニールレザーです。ただ、10年20年経つと、突然劣化が進み、使用不可能となってしまうのが欠点です。そこで革を使うわけですが、値段が高い、しなやかさに欠ける、非常に重いと、欠点ばかり目立ってしまいます。しかし、革の裏に革をつけることによって、湿気を防いだり、年月と共に、表革になじんで、すこしずつしなやかになったりと、地味なところで、威力を発揮します。裏に使う革は、基本的に豚革を使います。これは、革自体が薄いこと、値段が牛に比べて比較的安いことなどが理由です。一部羊などを使うことがありますが、豚に比べて、薄くしなやかですが、強度に欠けるのが難点です。小物などに使用したことがありますが、無理矢理カードを押し込んだりすると、切れてしまうため、今は、豚2種と、ビニールレザーを使用しています。カバンの場合は、どうしても美しさというより使いやすさが先に立ってしまうため、残念ですが、あまり裏の面白さは無いようですね。
今回の写真は、カバンの裏側も見られるので、じっくりと観察してみてください。
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