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ティーブレイク (注文にまつわるおはなしです。) 2000/09/09


的確な注文によって出来た大満足のカメラバッグ

注文するということ
子供の頃、“シャツの店”と言うドラマがありました。鶴田浩二サンが小さな(店舗部分は2帖くらい)シャツの店をやっていて1日中一人でシャツを作っていました。もちろんお客さんのサイズにぴったり合わせた完全オーダーメードのシャツ。で、奥さんも手伝おうとするのですが、頑固職人はなかなか認めてくれない。といった内容でした。思いきり地味なドラマです。
かつて日本ではオーダーメードなどと言う堅苦しい言葉ではなく、もっと簡単にいろいろなものを注文していました。古い雑誌に、“お気に入りの洋服を作って同じ素材で履き物やさんに靴を作ってもらいましょう!!”などと書いてある所を見ると、いかにも簡単そうです。
今年の夏大流行の下駄はセミオーダーの代表格です。私は母に連れられて鎌倉の下駄やさんで台と鼻緒を選んで、すげてもらうのを子供時代じっと見ていました。ちょっと時間がかかるので、子供を飽きさせないために飴とかチョコレートがどっさり置いてありました。男性用のシャツやスーツ、帽子なども今よりはずっと気軽にオーダーしていたと思います。そんな街のオーダーメードが消えていったのはいつ頃のことだったのでしょう。Teeに来るお客様の年配の方の中に、注文に非常に慣れていらっしゃる方がいます。自分のこだわりのあるところ、そしてここは妥協しても良いところ、と言うのをしっかり持っていて、的確に注文を出していきます。このような方は、やはり若い頃、スーツやシャツなどを注文していた方なのではないか?と考えてしまいます。日本がもっともっと豊かだった頃を思い出して、世の中に街のオーダー職人がもっともっと増えていくことを望みます。“貧乏ひま無し”になること間違い無しですが。